旭川明成高等学校サッカー部 公式サイト

監督 山室 伸之輔 『今の最善を尽くす』
旭川明成高校サッカー部に関わってくれる全ての方々へ
いつも本校サッカー部を支えていただきありがとうございます。

まず、このブログを始めた理由として、最高学年である3年生の心の内にある想いを皆様に知っていただくことで、さらに旭川明成高校サッカー部を深く感じていただければと思いスタートしました。私自身も選手の本心が少し見えた気がして、このブログをやった意味はあったと感じております。

このブログを始めてから、最後に監督である私がブログを書こうと思ったのは、3年生が書いてくれたというのも勿論ですが、「しんさんもブログ書いてくださいよ」(普段皆からはそう呼ばれています)と各方面からそう言って頂いたので、私の想いも綴ろうかと思い書かせていただきます。拙い文章ではありますが、最後まで読んでいただけると幸いです。
 
はじめに、私は出来た人間ではありません。たくさん失敗しますし、あーやっちゃったなぁと思うことは今でも多くあります。高校の教員になるなんて思ってもいなかったですし、こんな自分が教員を務めていること自体を不思議に思う事もあります。

また、私の幼少期からの夢は高校教員ではなく、プロサッカー選手になることでした。日の丸を背負って海外でサッカーがしたい。と本気でそう思っていましたし、プロサッカー選手になれない人生なんて終わりだとも思っていました。
 
プロになりたい!と子供の頃から夢見ていたものの、現実は甘くはなく、高校に上がると、なかなか試合に出られない時期もありました。未熟な私は不貞腐れ、チームの足を引っ張る、今考えると最低最悪な選手であったと思います。当時の自分に会えるのなら、自分が今、すべきことは不貞腐れることか!!!といった感じで思いっきり殴ってやりたいと思います!ただ、裏を返せばそれだけサッカーに人生を賭けていたのかなぁとも思います。
サッカーはやみくもに練習するだけではうまくなりません。人間性や細部の行動が全てです。当時の自分はそれが全く分かってなかった。そんなことを今の高校生には伝えることができればとも思っています。

私は高卒ではプロになれず、大学でもサッカーを続け、幾つかのJリーグチームの練習に参加させてもらいましたが、当時はJ3もなく、プロ契約には至りませんでした。苦渋の選択ではありましたが、プロサッカー選手の道を諦めて、普通の一般企業に就職することを決めました。ただ、その決断後の人生は本当に辛かった。

毎日の通勤では、地下鉄内に貼られているプロ選手になった元同僚達の写真や、ポスターを目の前に通勤し、日本代表の試合では一緒にプレーしてきた同世代の仲間の活躍を羨ましく感じました。自分もここに立ちたかった。たくさんの声援の中でプレーしたかった。と何度思ったことか。

また、会社では日々の仕事をこなすだけで、やる気のない私は、今考えると本当にたくさんの人に迷惑をかけたなとも思います。当時の上司や同僚には謝っても謝りきれません。私のせいで周囲に迷惑をかけたこともあったかと思います。ただ、会社員時代も全部が全部辛い思い出ではなくて、同期と東京の街で遊び歩いた日々も、仕事ができない私をとても可愛がり、優しく仕事を教えてくれた新入社員時代の上司達との日々も私にとっては人生の大切な1ページです。ただ今ならもう少しちゃんと働けるかなとも思います。
 
私は自分に嘘をつき続けました。「サッカーをしたい」「自由に生きたい」という自分の声を聞こえないフリをして、気づけば7年間も会社に勤めていました。これからも夢なく、なんとなく生きることになるのかなと諦めていた時です。人生とは何が起こるかわからないもので、私の大学の同期と後輩が旭川明成高校と私を繋いでくれました。私は高校教員になることを決意し、今サッカーに関わっています。

前述した通り、私の人生はうまくいかなかったことがほとんどです。私は夢を叶えられなかったその他大勢の一人で、何か功績を残したわけでもありません。むしろ選手としては三流です。しかし、夢は形を変えて、私は今、自分がやりたい仕事ができています。大きく遠回りをしましたが、夢を叶えられなかった私にしか見ることができなかった景色もあります。この経験を良い形で選手に還元できればとも思っています。

そして教員になった私が『今』しなければならないことは、学生時代のように不貞腐れることでも会社員時代の時に様に周囲を羨ましがることでもありません。『今』を生きることだと思っています。

うまくいかない時、思い通りにいかない時、やる気が出ない時こそ『今の最善を尽くす』その繰り返しが人生を豊かにし、一生懸命やるから、たくさんの人が協力してくれるのだと歳を重ねた今だからこそ心底感じます。

私は本気でサッカーに向き合えます。逆に本気でしか向き合うことしか出来ません。私をここまで押しあげてくれた指導者たちがみんな本気でぶつかり、本気で私を指導し、引き上げてくれたからです。今度は私が選手たちを引き上げる番だと思っています。それはサッカーの上手い下手は全く関係ありません。本気で向き合うからこそ見えてくるものがあると知っているからです。

また、今ではサッカーだけではなく、学校祭や修学旅行の様な行事でクラスの生徒と過ごす事も幸せを感じます。大人になってクラスの子ども達と再会するのもこれからの楽しみの一つです。本当にありがたいことだなぁと思いますし、生徒以上にたくさんの事を勉強させてもらっています。

最後になりますが、これからサッカー部は夏合宿に入り、高校サッカー選手権とFAリーグの入れ替え戦に向け準備していきます。『今の最善を尽くす』『今』を必死に生きる。選手にも口うるさく言いますが、自分自身にも言い聞かせています。心がぶれそうな時、気持ちが入らない時、過去を美化しすぎたり悔やんだりせず、また未来に過度な期待や不安を抱いたりせず、自分の選択に責任を持ち『今』を生きる。それがとんでもないとこにいける第一歩目だと信じて。これからも本気で選手と向き合っていきます。

今後とも旭川明成サッカー部を応援の程、よろしくお願い致します。

  
  
2025/07/26 20:06
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